今のあなたを素直に受け入れて「また頑張ろう」と思うきっかけになれるかもしれないような話
こんにちは。たけちです
やりたいこととやりたくないことの間で楽しくも辛い日々を送っているみなさん。
安心してください
私もです。
あなたは今何をしている時が一番楽しいですか?
仕事をしている時? 友達と遊んでいる時? 一人で黙々と作業している時?
人によって様々だと思います
私はものづくりが好きなので何かを作るために活動している時間が好きです
やりたいことが一つに絞れず、時間が足りないくらいです
「やりたいことを絞って集中しないとその道を極めることはできない」
散々言われ続けてきました
でも私は納得したくなかった
やりたいことをやりたいだけやってこだわり抜いたら、私は自分のやりたいことを極めたと言えるのではないか?
周囲の声と自分の想いとの葛藤の中で、私は『蘇える変態』(星野源 著)に出会いました。
星野源と言えば昨年話題になった「逃げるは恥だが役に立つ」の主役である津崎平匡を見事に演じあげ、主題歌の「恋」を大ヒットさせた印象が記憶に新しいです
星野さんは「音楽家」であり「役者」であり「文筆家」でありと、様々な活動を行い、それを全て両立させてしまっているというすごい人です。
この本はそんな星野源さんが女性向けファッション誌に連載していたエッセイを大幅に加筆修正したものになっていて、これだけたくさんのことをしている方が書いたのだから面白いに違いないと思って購入に至りました
内容は欲望を素直に吐き出したような、それでいて時たま確信めいたことをさらっと言ってしまう、なんとも人間らしい内容の本で驚きました
エロいことを考えるかたわらで、創作に対しては非常に真剣で、「満足してしまったらその時点で仕事人生が終了する。だから考え続けなきゃいけない」と考えてることが綴られていました。さらにその状態を「ものづくり地獄」と表現しており、非常に的確だと感心させられたのを覚えています
何かを作る仕事やそれを趣味としている人ならわかるかもしれませんが、1つのものを完成させるまでに至る道のりは大変困難なものです
それは個人でやる場合も集団でやる場合も同じです。スムーズに完成できるものなんてほとんどありません
しかし、それが出来上がって周囲の人や友達を喜ばせることができると、今までの辛さが全て楽しかった思い出に変わるのです その瞬間がものづくりをしていて一番幸せな時だと思います。
この「作る辛さ」と「生み出す喜び」を一言「ものづくり地獄」と表現した星野源さんに感服いたします。使わせてもらいます
また、星野源さんは芸能界という荒波にいながら、死ぬほど素直な人物だと感じました。
人のすごいところには「すごいなあ」と感じ 自分のダメなところには「だめだなあ」と思う でもダメなところは簡単にはなおせないから「自分ってくずだなあ」なんて考えちゃう
これって結構すごいことだと思うんです。
人ってどこかプライドを持って生きているじゃないですか 誰かが成功したら「おめでとう」と言いながら内心ははらわたが煮えくりかえりそうなほど悔しさを感じていたりするものじゃないですか 嫉妬なんて日常茶飯事で、いつまでたっても人と比べちゃうじゃないですか
私がそうなんですが・・・
そういう気持ちと素直に向き合って、「また頑張ろうかなあ」なんて思わせてくれたのが『蘇える変態』でした
皆さんは自分の気持ちとしっかり向き合えていますか? どこかで自分に嘘をついていませんか?
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闘病生活を楽しむ心を持つ強さ
星野源さんは、2012年12月22日に、くも膜下出血と診断されたため、活動を休止しておりました。そして2013年6月ごろに行った定期検査の結果、手術した箇所が万全な状態ではなくなってきていることがわかったため、治療に専念することになり、再びの活動休止を余儀なくされました
普通ならそんな絶望的な状況に陥ったら絶望してしまうでしょう。しかし彼はそれに前向きに立ち向かいました。 そしてその時のこともこの書籍には綴られていました。
最初は、「今までに抱いていた希望ややる気、何度も苦境を乗り越えることで生まれたなけなしの忍耐力や誇りが全てなくなる」ほど痛くて苦しい思いをしていた源さん。生きることは基本的に苦しいんだと自覚しながら、苦しんで生きた人間のご褒美が死なんだと実感しながら、最後の最後まであがいてあがき切り、最高の気分でエンドロールを見てやる、と述べていました。
自分が死にそうな時に、こんなことを考えられる人間が何人いるでしょう
今の世の中は就職に失敗したとか、仕事が辛いとか、そんな視野の狭い理由で自殺を図る人が何万人もいる時代です。 日本に生まれただけで幸せなことだし、生きて行くには何も不自由などないのに、世間体やプライドを気にして何もできなくなってしまう
それじゃダメなんです。もっと前を向けるはずなんです
今の私は別に仕事も大変ではなく楽しんでやっているし、友人関係も良好です。だからこういうことが言えるのかもしれないし、実際に絶望的な状況に陥ったら、死を選択してしまう可能性も十分にあると感じています。
でも、星野源さんは違いました。 成功率の低い手術を控えてなお、ものづくりに情熱を注ぐことをやめませんでした
「辛い病気を面白がり、前向きなものに転化するということは、その病気になった本人じゃないとできない。周りがやれば不謹慎になってしまうからだ。幸福なことに、自分はそれができる環境にあり(中略)相変わらず辛い日々ではあるけれど、その頃には病気を恨む気持ちはすでになくなっていた」
そう言って、術後の自分の状態をなんらかの方法で映像で発表することを決めたそうです。 実際、「地獄でなぜ悪い」のMVの最後に、源さんがベットの上でピースする映像が配信されています
そのピースに、どれだけの思いがあったのか、考えるだけで「自分も頑張るぞ」という気持ちにさせられます
落ち込んで死を選んでる場合じゃないんです。今の状況をいかに楽しいものにするのかはあなた次第なんです!
くだらない?くだらなくていい。ポジティブにいこうじゃないか。悪いことを考えられるのは悪くない時だけだ。今はいいことだけを考えられる集中力が俺にはある。未来に期待しつつ、目を閉じた
おそらく星野源さんの根本にある感情は私たちと大差ないと思います。 現状を変えたくて必死にもがいて、でも自分のダメなところが見えて落ち込んで・・・ そういう日常を切り取ったのがこの本なんです
みんなが似たような気持ちを抱えながら頑張ってる。そういう様を見て自分も頑張ろうって思える そんな書籍だと思います